『無名の人生』渡辺京二著 図書館の予約の順番が回ってきた。
文春新書『無名の人生』渡辺京二著。
矜持のある人のようだ。
昔の人であることは、文脈からかんじられる。特に女性に対する考え方は古い人だと思わせるものがある。しかし、それ以外は気持ちよく読めた。
誤解されることが多いのだろうけど、言いたいことはわかる。
それでも誤解する人をどうにかすることは難しいという諦めみたいなものがどこかにあるんだろうなあと思わせる。
個人的には最後の部分が著者が生きてきた人生の中から得た大切な教訓のような宝物を書いてくれていることに感謝する気持ちが浮かんだ。
農民の一揆が春闘のようなものという表現は始めてだったので新鮮に感じられた。
自分を匿さないというのはこれから私も実践していきたいものだ。
われわれは地球に一時滞在を許された旅人という言葉は好きだ。
まあ野垂れ死にが理想をいうのは言葉どおり理想なのだ。
いくつか今後生きて行くのに参考にしたい言葉が散りばめられていて心地よい読後を味わっている。