『我が息子よ、君はどう生きるか』チェスターフィールド著竹内均訳2013

かなり意味深い内容だ、特に長く生きてきた人間だからわかることが書かれている。

 

目の前の物事や人から目をそらさない

不注意なひと注意力散漫な人ほどc一緒にいて不快な人はいないと思う。それは相手を侮蔑しているのと同じことなのだ。侮蔑はどんな人にとっても許し難いことだ。考えてみてほしい。

人は畏敬の念を抱いている人愛している人を前にして気が散ったりするだろうか。するはずがない。つまりどんな人でも注意に値すると値すると考える人に対しては集中できるのだ。そしていかなる場合も注目に値しない相手などいはしない。

 

人の弱みや短所を暴露しない

若者によくあることだが優越感を示したいがためにあるいは周囲の人を喜ばせたいがために人の弱みや短所を暴露するような真似をする。だが、これだけは決してしてはいけない。そういった誘惑には打ち勝たなければいけない。そういうことをしたら確かにその時は周りの人を笑わすことができるかもしれないけれども、そのことによって君は生涯の敵をつくることになる。それにその時は君と一緒に笑った友達だって後で思い出したらゾッとするに違いない。そして結局は君のことを嫌いになってしまうだろう。

 

自分の価値観だけで世間を測らない

人間はそれぞれ自分の考えに従って行動するものだ(またそうであってほしい)。

それを自分で全く同じ考えでなくてはいけないと思うのは自分と体型も大きさも同じでなくてはいけないというのと同じくらい傲慢なことだ。人間はそれぞれ自分が正しいと思って生きている。ところが本当に誰が正しいかを知っているのは神1人なのだ。だから自分自分の考えと違うからと言って人を馬鹿にするのはおかしいし、自分の信じていることと違うからといって異教徒扱いをして迫害するのはおかしい。人間は自分が考えるようにしか考えられないし信じるようにしか信じられない生き物なのだ。

 

だらだらと過ごさない

その中にはだらだらと時を過ごす人が大勢いる。大きな椅子にもたれてあくびをしながら「何かを始めるにはちょっと時間が足りないし、、、」などとのたまう。けれど実際に時間が空いてもそういう人は何かを始めることはない。結局何もしないで時は過ぎ去っていく。気の毒な性格という以外ない。多分そういう人は勉強はできても態勢することはないだろう。

 

知識をひけらかさない

もし君が学者ぶって鼻持ちならない奴だと言われるのが嫌だったらかといって学がないと思われるのも嫌だったら一番いいのはことさら知識をひけらかさないようにすることだ。知識は懐中時計のようにそっとポケットにしまい込んでおけばいい。見せびらかしたくて必要もないのにポケットから取り出してみたり時間を教えたりする必要はない。時を聞かれたらその時だけ答えればいい。時間の番人ではないのだから、聞かれもしないのに時を告げることはない。

 

自分の話をしない

自分からは何も言わずに黙っていればかえって長所があると思われるものだ。少なくとも奥ゆかしいと思われることは確かだ。それに不必要な妬みやそしりや嘲笑を受けて正当な評価を妨げられることはない。しかしどんなにうまく変装し得ているつもりでも自分でそれを言ってしまえば周りの人の反感を買い思ってもみない結果に肩を落とすことになるだろう。そんなことにならないためには自分の話をしないほうが一番だ。

 

シラを切って相手を欺かない

同じシラを切るにしても手の内を読まれないようにシラを切るのと相手を欺くためにシラを切るのとでは大違いだ。そして間違っているのは後者の方だ。人を欺くために感情を隠すのは道徳の戻るだけではなくさもしい行為と言わざるをえない。かのベーコン卿も書いている。相手を欺くのは真の知的人間のすることではない。手の内を読まれないように感情を隠すのはトランプカードを見せないようにするのと同じだが相手を欺くためにそれをするのは相手のカードをのぞき見するようなものだ。

 

目次は

第1章今この時をどう生きるかが君の人生を決める

第2章人間の器を大きくする生き方 人並みで満足したら進歩はない、大欲をかけ後は意思力集中力だ

第3章一生の友達をどう育てるか自分を伸ばす友人引き立ててくれる人をどう見つけどうつき合うか

第4章自分の意見を持て、自己主張のない人間は絶対に伸びない、判断や表縁力を身につける決め手

第5章最高の人生を送る日々の心がけ 仕事も遊びもしっかりやれ

第6章自分の殻が固まらないうちにやっておくべきこと本をたくさん読みなさい、そしてとにかく外へ出てみなさい

第7章人間関係の秘訣、人を影では褒めているが気配りが自然にできているか

第8章自分の品格を養う、学問ばかりが勉強ではない

第9章我が息子に贈る「人生の最大の教訓」人間タフでなければ生きられない

 

前に読んだ時と若干章立てが変わっている250年の時を経てるんだそれくらいはありだな。