『園芸家12カ月』カレル・チャペック著1975中公文庫
緑の指を持つ人は、植物を育てることに長けている。そうありたいが、いつも何かしら枯らしている。残念だ。
園芸家がどういう人種なのか書かれているのがこの本です。園芸家のよろこびは単に美しい花を咲かせるための労働とその報いだけにあるのではなく四季の作業を、通して自然の生命の美しさに触れることができる点にあると言う。
ある程度の年齢に(おやじらしい)ならないと園芸家は難しい。
食糧にもならない観葉植物の栽培に人生最大の喜びと悩みを感じて暮らすアマチュア園芸家の生活をうらやみ、賛美し、奨励している。
訳者が数えたところ280種類以上あげられている。
最初から面白い。ホースとの格闘シーンは、あるあると思ってしまう。
凝り性の人間が何かをやりだすとみんなこんな風になってしまう。
1月園芸家にとっては暇ではない
2月本当の園芸家は花を作るのではなく土を作っている
3月静かな庭が凱旋行進曲を始めたみたいだ
4月発芽と移植の月
5月園芸家の一番楽しみな月
6月草刈り野菜づくり
7月バラの芽接ぎ 庭の水やりとスプレー
8月毎日水やり
9月植物を植える 春までに根付くものを植える
10月植え付けと植え替えの月
11月掘る月
12月園芸カタログで注文の月
園芸家は、未来に生きている。
全部やると1100年かかる。
軽妙な文章についつい引き込まれてしまう。
植物は多過ぎてついていけない。
マニアってこんなものなのだあと分らせてくれる。
お兄さんの挿絵もその世界に入り込ませる。
もちろんチャペックの他の本も大好き。
ダーシェンカとか、イギリスだよりとかスペイン旅行記とか、どれも楽しい。