『ロンドン骨董街の人びと』六嶋由岐子著1997

イギリスの階級社会のありようが描かれている。イギリスにある東洋をはじめとする世界の美術品は戦利品である。本来の系譜では無い。しかしそこにあるからこそ生き残ったのかもしれない。著者が初めて住んだイースト・エンドは、タニアは超美人でもコックニー訛りとお酒の飲み方がロンドンの貧民窟とはっきり刻印されている。

ヨーロッパでは、古美術を所有し、古美術商に名前を覚えられていることが、何よりわかりやすい上流階級の証。

古美術商「スピンク」に日本人としたはじめて採用された著者の経験が描かれている。

まるでフィクションのように見える。

王室とのつながり

ファミリービジネス的な伝統

三百三十年の歴史

 

没落し貧窮した貴族の弱みにつけ込んで成り立つ商売。

封建時代の領主と雇用人の関係。

伝統を重んじ、相変わらず階級社会のイギリス。美しいものの良さは変わらず伝統が生きている。人も変わり少しづつ様子も変わっているがガンとした骨董に対する愛がある。

日本にも多くの美術書品があり、今はとても大切にされるようになりつつある。

時々愛でるだけで我慢するしか無い。