『昭和16年夏の敗戦』猪瀬直樹著
「総力戦研究所」という若手エリートによる戦争のシミュレーションが正確だった。
昭和16年夏には敗戦がわかっていた。時の内閣は陸海軍の代弁者であって戦争ありきで都合の良いデータを寄せ集めて戦争をはじめた。誰も責任を取らない何かしらの組織の主張をするのみだったのは、今新型コロナで出てくる政策と本当に似ている。和牛券やGoToキャンペーンとかってまさしくそれだ。
アメリカとの情報戦では完全に負けていて日本の国策要綱の要点を知って石油など対日輸出を禁止した。対日禁輸。対日禁輸をすればインドネシアに石油を取りに行くのはわかっていた。これはアメリカの宣戦布告だ。持てる国アメリカは計画的に進めていたが日本は場当たり的だった。持たざる国の悲しい立場だ。
実際戦争当時のことは何かしらの本からしか知識を得られない。丁寧に調べ書いてくれる猪瀬さんは凄いと思う。コロナ禍で都知事だったならどんな采配をしてくれただろうか。
なんか残念な気がする。