『仮想通貨の確定申告がわかる本』小山晃弘著2018年11月
税制については税理士のような知識を身につけて自分で税務申告するという想定ではなく税理士に相談するための基礎知識を得ておくための本である。様々なケーススタディもあり一読の価値はあるかと思います。
H29.7(2017)以降購入時の消費税は非課税。
仮想通貨は有価証券。
仮想通貨は雑所得(総収入-必要経費=雑所得)、損益通算ができない。マイナスの繰越しも認められない。
利益が出れば課税される、含み益には課税されない。
日本円に換金していなくても、他の仮想通貨(例ビットコインからアルトコイン)へ交換している場合はその交換差益に課税される。
サラリーマンが仮想通貨取引で得た利益を事業所得にするのは客観的にみて困難。
事業所得にするメリット
1.他の所得との損益通産ができる
2.青色申告特別控除を利用できる
3.青色事業専従者給与が出せる
4損.失を3年間繰越控除できる
5.30万未満の少額減価償却資産の特例が利用できる
事業所得か否かを判断するポイント
1.自己の危険と計算において独立して行う業務か
2.営利性と有償性を有しているか
3.反復継続して遂行されて営まれているか
4.社会的地位が客観的に認められるか
開業届の提出、帳簿の整備、契約書、領収書
事業としてその業を行なっていたという証拠を多く残しておく。
会社員が仮想取引で20万円を超える所得を得た場合は、給与所得以外の所得が20万円を超えるので確定申告が必要になる。
法人のメリット
1.税制
2.決算期を自由に変更できる
3.経費が広く認められる
4.所得の分散を図れる
5給与所得控除の利用が可能(自分に人件費が出せる)
6.生命保険を経費にできる
7.薬品退職金の支払いができる
8.最大10年間、赤字の繰越ができる
9.損益通算の可否
10 .2、6、7を含めた節税の選択技
法人のデメリット
1.設立費用、時間と手間がかかる
2.社会保険の負担
3.会計事務所への費用
4.維持経費がかかる
5.資金の使い方に制約がある
6.税制調査の可能性が高い
税務署はしっかりみているしまた、頻繁に税制が変わる可能性が高く簡単な基礎知識は身につけて税理士さんとの相談にも有利になるように学ぶ必要はあるだろう。