『モモ』ミヒャエル・エンデ著
時間どろぼうと ぬすまれた時間を人間にとりかえしてくれた女の子の不思議な物語。
物語の表紙はエンデの自作のようだ。
主人公モモは本当に人の話を聞くことができる才能を持っていた。受け身だったモモは自主性を持ち世界のために人々の時間を盗む灰色の男たちをやっつけたというお話。
世の中はどんどん変化しいつの間にか個人でコンピュータを持ち全能の知を手に入れたかと思えるけど何も豊かになっていない。どんでもなく早く計算できるようになってもさらに多くの計算すべくものが溢れてくる。効率化するのはより多くを求めるためなのだから。
出口治明さんによると人生は喜怒哀楽の総和ということらしい。たくさんの経験だけが財産である。
時間は私たちが持っているもので最も大切なもの。命は時間の積分(阿久悠さん)。
そして世界より良くするために生きることが出来ればそれで本望なのだ。
効率化やコスパを毎日考えているけれどこれを抜きに生きることは何を基準のすれば良いか戸惑う。安い価格のものを探す必要もなくより効率的に行動することもなくというのは自分で基準を決めて生きていく必要がある。それは誰かと共有しないとあまりにも孤独すぎる。どこへ行こうというのか?