『ミステリーを書いてみませんか』斎藤栄著

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日本でのミステリーの書き方では類を見ない深さで書かれている。

その時の感想で覚えているのはあゝとてもできないなあだった。医学から法学からあらゆる分野を徹底的に学ばなければ書けないような気がした。

 

本の書き方の本は

三島由紀夫文章読本

川端康成文章読本

谷崎潤一郎文章読本

丸谷才一文章読本

井上ひさし」『自家製文章読本

久美沙織『新人賞の獲り方おしえます』

『もう一度だけ新人賞の獲り方おしえます』

などなどと、先日古賀史健さん

『20歳の自分に受けさせたい文章講座』

について書いたとき思い出せないけど凄い本読んだことあるなと思っていた。

本棚の片隅から斎藤栄さんのこの本が出てきた。

「ミステリー作家への登龍門をめざす人たちだけでなく、ミステリーファンに贈る“ミステリーの書き方と楽しみ方”。推理小説の変遷、発想法、トリック論、取材法など、具体的で、わかりやすいミステリー作法の入門書。」

読んだのは1991年頃。

今見てみると斎藤栄さんは、1933年生まれ東大法学部卒業後に公務員となり、兼業。専業作家としては72年から活躍。将棋も羽生さんに勝ったことがあるらしい。

戦前の探偵小説から推理小説の有名な5人の紹介から始まっている。

その中で大下宇陀児さんの「できる時にできることを死に物狂いでやりなさい」という言葉が深い。ここで目につくのは江戸川乱歩だが、実際に会ったことがあるらしい。

 

本当に丁寧に、書くためのイロハが書かれている。原稿から椅子から発想の仕方など。本当に初めての人が知りたい内容。ここまで書いていいのかと思うけれど、とてもマネ出来ないレベルなので読み物として面白い。

 

作家に向いている人

①ものを書くのが好き

②孤独に耐えられる人

③男女のことに関心がある人 悟らない人

④人生を考える人

⑤学校の先生に褒められるような文章を書かない。人生に深く食い入っていける文章

 

推理作家に向いている人

①普通の小説に満足できない人

②臆病な人

③好奇心の強い人

④意外性の好きな人

⑤文字の遊びの好きな人

 

思い出せなくて引っかかっていたけど見つけてよかった。