『世界は贈与でてきている』近内悠太著

資本主義の隙間を埋める倫理学という副題。

お金で買えないものの正体はわかっていない。人類の幸福な存在のために哲学は概念を作る。

贈与の原理と世界の成り立ちが書かれた本。

プレゼントとした手渡された瞬間にモノがモノで無くなる。人間関係の根底に贈与の原理がある。

「人間が子供を育てるには仲間が力を合わせなければならない。進化は強い社会的絆を結べるものを優遇した。」(サピエンス全史のさん

贈与の差出人は、贈ることで逆に多くのものを受け取っている。

他者から贈与を受け取ることから始まり不当に受け取ってしまったという負い目が人を動かし贈与が発生する。贈与は無数のアンサングヒーロー(記録に残らず賛美される場所を持たない陰の殊勲者)に支えられておりそれを知るには勉強しよう。

人に助けてと叫ぶことができない、誰にも頼ることができず、誰からも頼りにされない状態を「自由」と呼んできた。

資本主義の世界では死ぬその瞬間まで一瞬も休むことなく商品を買い続けていかなくてはならない。

その状態で生きることが出来るであろうか。

助けてと叫び、頼られることで我々は生きていくことができる。

自分が祝われる以上に誰かを祝うことが自身の喜びとなる。つまり贈与を受け取ることで関係性ができる。そしてそれが継続したつながりとなる。