『小説家という職業』森博嗣著 集英社新書2010年
かなり偏った本である。
しかしそれは合理的という言い方も出来る。
まずは書けという。それは正しいような気がする。書かなければ何も始まらない。しかも他の本を読んだりしないであるいはブログなど書いたりしないでともかくも書けという。
個人の感性に大勢の他者が反応し、自分に有益なものだと感じればそれが広く商品としての価値を生み出すようになり作者が職業としてその創作を続けることができる。
「小説を書いて、それを職業にする」という決意。ここが揺らぐと成り立たない。
オリジナリティのあるものを生み出すことが最重要。
とにかく書くことからに尽きる。
広く社会のニーズを眺めこれからいかに展開していけば良いのかを考えて迅速かつ的確に手を打つ。
最低限守らなければならないことは「意味が通じる」ということ。通じないものも多い。
人間を観察すること→小説を書くための下準備
自分の作品を人から批判されて腹が立つこと自体が自信がない証拠だし、笑って聞き流せない思考力、想像力では創作という行為においては明らかに能力不足だ。
新しいものを目指せ
マイナを狙え
視点が重要なポイント。
視点を磨くには自然を意識して観察すること。
それを描写する練習をする。自分の目で見ること、見たものを自分の頭で考えること。
書くことは格好の悪いことだけれど書く。
人間の思考、生き方、感情のポインタなのではないかという。
小説は指し示すことができる。
そのために自分の視点を持ち、かつそれは磨かなければ得られない。