『大分断 教育がもたらす新たな階級社会』エマニュエルトッド著2020PHP新書

『大分断 教育がもたらす新たな階級社会』

エマニュエルトッド著。

教育が分断の原因となる。

意図せず分断に加担することになる。

一人一人は、よりよくなるために、そして我々の社会もより良いものにしたくて学んでいるはずなのに。結果としてそうではない方向に進んでいることの恐ろしさを指摘。

 

民主主義の機能不全に陥っている。

思想の大いなる朝の時代に直面している。

教育は雇用主にとって都合よく仕事に励ま、順応主義的な社員を雇うことを可能にした。

学ぶことでより良い人間になれる、知ること自体が良いことだと思う。

コロナ後はなにもかわらないが、物事は加速し悪化する。

トッドは、1998年『経済幻想』という本で高等教育の発展が社会の文化的側面に格差をもたらしたとした。教育は、支配階級を再生産するためのものになった。そして支配階級が、目的を失っている。

ヨーロッパの最大の脅威は、ヨーロッパという理想そのものがほぼ終わってしまっている点だ。そして内向化している。

読書が必要。6〜10歳の子供は、読書すると能力の高い子供になる。脳をフォーマットする機能を持っている。

1人でじっくり考える時間を持つ。

フランスの黄色いベスト運動は階級闘争

民主主義は3型ある。

フランスアメリカイギリス型=核家族個人主義

日本ドイツ型=権威の原理と不平等

ロシア型=権威主義と平等主義

日本は、階層民主主義。国民感情が強い直系家族構造の社会の民主主義。そもそも身分制の社会で長男が重要。

中国と日本が共通の政治圏を築くことは結果として日本の消滅を意味する。人口規模の違い。

日本は核武装を!

国内のバランスと老いていく社会の高齢者を支えるため移民が必要。

女性の地位向上。自由貿易に反対する、保護主義は民主的。

フランスの中産階級が無能なのだ。

 

賛成できない点は、日本は江戸時代のような暮らしがいいというところ。出口治明さんも言っているように、身長も伸びず、栄養も足りなかった暮らしは辛い。やはりGDPが高く、豊かで食べていける暮らしが望ましいと思う。

日本の女性は、身分制の社会で長男だけが重要であったというのはその通りですが、大半のと思う女性は身分制社会とは思っていない。気づいていないだけなのか?