『民主主義とは何か?』宇野重規著2020講談社現代新書
現在も民主主義の危機と言われている。
1.ポピュリズムの台頭
イギリスのブレグジットやトランプの選出
2.独裁的指導者の増加
コロナ危機には、中央集権的な方が対応が速いという考え方もある。チャイナモデル。
3.第四次産業革命とも呼ばれる技術革新
ハラリ氏は、『ホモデウス』の中でAI技術や生物工学の発展の結果人類至上主義が終わりをむかえると予告。
4.コロナ危機
中国は、個人情報の管理を実現
チャーチル「民主主義とは、頭をかち割る代わりに頭数を数えることだ」
ルソー「イギリス人は、選挙のときのみ自由だ」
民主主義は2500年の歴史がある。
この歴史に裏打ちされてこそ民主主義の何たるかを語れる。
民主主義は古代ギリシアで誕生した。
そしてヨーロッパで継承された。自由主義との結合した。20世紀になって民主主義は実現した。
最終的に問われるのは、わたしたちの信念であるとした。
・公開による透明性
・参加を通じての当事者意識
・判断に伴う責任
日本ではどうかというと、選挙の投票率の減少に見られるように、危機的状態である。
ごく普通の人間が自らの可能な範囲で公共の任務に携わり責任を分かち持つことが民主主義にとって重要で、今後を模索することで民主主義も前に進む。
2500年の及ぶ民主主義の歴史は、今の到達点から見て紆余曲折したものだった。しかしここに曲がりなりにも民主主義が成立している。
これからに関しては、民主主義の担い手つまり一人一人が自分の責任を果たし、より良くしていくことに参加していくことで前進するものだろう。
どうしても重くなりがちで、途中で挫折するこの種の本の中では、比較的軽く読める。
(書評サイトHONZの出口治明さんの書評参照)