『リープフロッグ逆転勝ちの経済学』野口悠紀雄著文春文庫

超勉強法や超整理術でおなじみの野口悠紀雄さんもうずっと昔と思っていたが未だ現役。79歳。いまなお最先端を走っている。

リープフロックとは蛙跳び。

周回遅れの日本でそれは可能だろうか。

トヨタがEVに進まない理由は、電力不足とサプライチェーンイノベーションで省電力自動運転車を使って欲しい。やるとトヨタの社長に言って欲しい。諦めたら日本の周回遅れは続くだろう。もうトヨタの出番ではないのだろうか。

 

中国の格付けに関する意識の違い。アリペイが2015年に始めた信用スコアリング。ビッグデータの収集に関して社会的制約がない。プライバシー侵害が意識されている民主主義国家では今のところ受け入れられない。

中央銀行がデジタル通貨を発行すると民間銀行の送金手段が不要になる。

EVへの転換は日米欧では容易ではない。

中国では市民社会が実現しておらず国家の力が強いから新しい技術を使える。

遅れていたから銀行が十分機能していなかったから中国は、電子マネーへ進むことができた。

アリババの適応力が優れていた。どう優れていたのか。(ここのところの説明が欲しい)当局から冷たい反応を受け資金集めも自分でやる必要があった。その中で中国にあったビジネスモデルを作ることができた。

アイルランドの急激な経済成長。法人税の引き下げから始まり世界のITビジネスのハブになった。日本のGDPの1/2。から2倍になった。

1970年の石油ショック以降、1980年代日本は世界のトップにいた。

1980年代以降、先進国の中心産業が製造業から情報通信産業へと転換した。

コンピュータが、大型コンピュータからパーソナルコンピュータへ移行した。

インターネットのオープンな仕組みに対し日本は自社内で閉じたシステム。

最先端の仕組みを持ったがキャッシュレス化が遅れている。eコマースが進まないのは実店舗が整備されているから。企業も変われなかった。社内に保守勢力がいる。過去の成功事業を推進した人はその後昇進し、経営方針に強い影響を及ぼす地位についている。新しい経済活動においてはルーチンワークを効率的にこなすことではなく独創性が求められる。集団主義ではなく個性が重要。教育も変われない。

世界競争力ランキング2020年34位。デジタル技術2020年63カ国中62位。コロナによって定額給付金の支払いは郵送、保健所の連絡はFAX.テレビ会議出来ず。日本は、他国に比べて比較できないほど遅れていることがわかった。

DXレポートでは日本のデジタル化予算の大部分がレガシーシステムを維持するだけのために取られてしまうと警告。

日本の場合経営者は経営を行う専門家ではなくその組織の中で出世の階段を最後まで登ってきた人。デジタル化に関する知識はない人が多く、必ずしも必要なことと、考えられていない。

19世紀のイギリスと同じように日本は今立ち遅れている。

ITの中核はPCとインターネット。日本の組織は閉鎖的で対応ができなかった。日本型組織が深刻なレガシー。強すぎる既得権。

小市民的な生活に安住してしまっている人が増えたことが問題。人々が獲得した豊かさに満足してしまって逆転しようとする意欲を喪失してしまった。

一人一人が逆転の可能性を決してあきらめないこと。どんな場合でも逆転の可能性を信じること。偶然のチャンスに期待するのではなく、実力を蓄えることで逆転すること。それに向かって努力すること。勉強して新しい技術を身につけること。常に自分の能力を高めようと努力すること。